「クラシック」という言葉の使い方について質問を受けました。
厳密ではありませんが、私には狭義と広義があります。
一般的にも、どのように使われているのか、はっきりしないような気がして、使い方に迷うことがあります。
そこで、classicという単語をを英語の辞書でひいてみます。eプログレッシブ英和中辞典 によると、
**clas・sic
━━ [形]
1 〈芸術品などが〉第一級の,最高水準の,きわめて重要な. |
2 〈芸術・科学が〉伝統的な,既成の型に従った.
3 (文学的・歴史的に)名高い,由緒深い
4 〈方法・事例などが〉規範的な,典型的な,標準的な |
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平凡社の「音楽大辞典」には、クラシックという項目はありません。
「古典派音楽」という項目があります。
時代区分としては、18世紀半ばから19世紀初めにかけてをさすことが多い。しかし、この語には類似した表現があり、かついろいろなニュアンスをもって使われているので、まず用語上のの整理が必要であろう。
と書かれていました。「古典派音楽」という項目ですら、用語上の整理が必要、とされています。
古典派、または古典主義と呼ばれるのは、ドイツ語のklassik あるいは英語のclassicisumである。
今、日本で「クラシック」という言葉の使われ方に時代区分はそれほどなくて、たとえば、メシアンでも武満徹でも一般的にはクラシックの範疇に入っているように思われます。CDの売り場のクラシックコーナーにあるものはみなクラシックで、古典に限らず。
次に「クラシック」をインターネットで検索してみます。Wikipediaによると、
クラシック (classic) は、古典の意。「格式のある」の意でも用いられる。文学、音楽などの芸術作品や服装、行事に対して用いられる。ここから、各分野において、歴史的に長く、評価の定まった物事を指して、単に「クラシック」と呼ぶ場合がある。
クラシック音楽(クラシックおんがく 英classical music)は、直訳すると古典的(classical)音楽になるが、一般には西洋の芸術音楽を指す。
狭義の「クラシック=古典」には新しい音楽は含まれません。でも、現代音楽も日本人の作品も、芸術音楽ならば、クラシックと呼ぶことも可能です。最初に引いた英語の辞書の、ラテン語の語源にある、「最高の」というニュアンスが魅力的かな、と思います。